母が昨年の年末から肺炎になり介護施設から病院へ入院となりました。
父からの連絡で、かなり弱っているということだったので、飛行機のチケットを取り、急遽帰国し毎日母の病院に付き添っていたのですが、新しい環境ということもあり、肺炎の病状もさることながら、レビー小体型認知症の特徴である「せん妄・幻視」」の症状がかなり強くでていました。
私は目の前にいるのですが、母が見ているのは別の世界で、色々な人や情景が浮かんでくるようです。特に母の頭の中には小さな子供がたくさん出てくるようで、私にも子どもがいることになっていました。残念ながら私達夫婦には子供はいません。
「子供がコロコロ転がっていてかわいい」と声をあげて笑うこともありました。パーキンソン病とレビー小体型認知症を発症してから、母が笑うことはほとんどないので、笑顔になるのが例え「幻視」であっても、娘の私にとっては嬉しいのです。
そんな話を聞いていると母の心の奥底では孫がほしかったのではないかなぁと感じました。
私は病気をして子供を産めない体になってしまったのですが、きっとこんな時こそ母の心の奥底にあるものが出て来たりするのかなと思って、孫を産んで見せてあげられたら、もっと親孝行できたのかなと思う年始めの出来事でした。
ちょっと、私の心の傷を揺さぶられる出来事でもありました。
この「幻視・幻覚」で母が笑顔になる事はごく稀で、大半の症状は本来心配症である母は、心配事をたくさん見てしまいます。「知らない人が家の中にいる」とか「これ片付けておいて」とか「洗濯ものをたたまないと」とか「お金の支払いをしなくては」とか「虫がいる」など次から次へと心配事が出てきてしまうのです。心配事ばかり見てしまうのは、母はどれだけ不安なことか・・・ どうやったら不安を取り除いてあげられるのかな・・・どうせ見るなら母が楽しくなる幻視ばかりが現れればいいのにと思います。
そうそう、私が家に帰ってしばらく経ち、母も肺炎が落ち着き退院することができました。介護施設に戻ったので、ビデオ電話で話たところ、私が病院でずーっと付き添っていたことをすっかり忘れ、「今月来るっていったのに、いつ来るの?」と言われました(笑)
そんなもんです。
人間の脳の中は、本当に未知の世界ですね。母が本当は何を求めていたのか今となっては、わかりませんが、今は母にできる限りの親孝行をしたいなと思います。
たとえ母が何も覚えていなくても!
